Gmail宛メールのドメイン認証成功率をポストマスターツールで確認してみた
2024年2月以降、Gmail と Yahoo Mail が メール送信者に求める要件を強化、DKIM と SPF によるドメイン認証や、 DMARC ポリシーのより厳密な適用が求められます。
今回、2月以降の影響を把握するため、Googleが提供する ポストマスターツールを利用。 これまでGmail宛に発信されたメールのドメイン認証(DKIM、SPF、DMARC)の成功率などを確認する機会がありましたので、紹介させていただきます。
利用登録
解析対象とするドメインを登録しました。
指定されたTXTレコードを追加、ドメインの正規所有者である事を証明します。
※Google Analytics 用の設定が流用出来る場合もあるようです。
ポストマスターツール画面
解析対象ドメインからGmail宛に送信されたメールについて、過去7〜120日のレポートを確認する事が可能でした。
今回は過去7日間のレポート画面を紹介します。
認証
- DKIM、SPFの認証成功率は100%でした。
- DMARCの認証成功率は 100% ではありませんでした。
配信エラー
- 配信エラー、拒否や配信エラーとなったメールの記録はありませんでした。
迷惑メール率
- 最大2.4%、ユーザが迷惑メールと報告したメールが存在しました。
IPレピュテーション
- 表示データなしとなりました。
ドメインレピュテーション
- ドメインレピュテーションの低下はありませんでした。
迷惑メール フィードバック ループ
‐ 迷惑メール フィードバックはありませんでした。
暗号化
まとめ
今回紹介したドメイン、DMARC設定はポリシーは「なし」(p=none) とした環境でした。
- DMARCレコード
$ dig txt _dmarc.example.com +short "v=DMARC1; p=none; rua=mailto:dmarc-report@example.com; pct=100; adkim=s; aspf=s"
Gmailに送信されたメール、DKIM、SPFの認証成功率は100%を達成しているものの、DMARC認証要件を満たさないシステムが存在する事が確認できました。
今後、Gmailへのメール到達率が低下する恐れがあるため、「rua=mailto:」に送付されるレポート(XML)をもとに DMARC認証要件を満たさないシステムの是正を進め、最終的にはDMARC ポリシーは隔離、拒否での利用を実現する予定です。
今回確認を試みたドメインでは該当しませんでしたが、
- メール配信の失敗率が高い
- エラーメールの報告率が高い
- SPF、DKIM認証に失敗している
場合には、2024年2月以降 Gmail、Yahooメール宛の配信率がより悪化すると予想されます。
独自ドメインのメールを利用して、Gmail、Yahooなど外部宛にメールを送信する機会がある場合、 Googleのポストマスターツールを活用戴くことをおすすめします。